映画「らせん」あらすじと結末ネタバレ。貞子の秘密、原作小説との違い

2019年6月17日

2019年にリングシリーズ最新作「貞子」が劇場公開されたので、シリーズの映画作品と原作小説を読み返してみました。
今さら感はありますが、映画「らせん」と原作小説「らせん」のあらすじとネタバレ、結末や展開を比較しました。

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映画データ

【監督・脚本】飯田譲治

【原作】鈴木光司「らせん」

【出演】佐藤浩市、中谷美紀、真田広之、鶴見辰吾

【主題歌】「ゆがんだ時計」(HIIH)

【音楽】池頼広

あらすじ

浅川礼子とともに呪いのビデオの謎を追っていた高山竜二が死亡した。

解剖を担当した安藤満男は、高山の胃から数字の暗号が書かれたメモを発見する。

解剖の結果、高山の死因は心筋梗塞であったが、高山の教え子であり第一発見者の高野舞は安藤に、高山の死にはビデオテープが関係していると言う。

高山の元妻・浅川礼子とその息子が事故で死亡した。
現場に向かった安藤と同僚の宮下は、浅川の上司であった吉野が事故車両からビデオデッキと壊れたテープを取り出すところに立ち会った。

吉野は安藤に、浅川が残した取材ノートの内容を明かし、呪いのビデオを手渡す。

結末ネタバレ

©KADOKAWA

吉野から受け取ったビデオを観た安藤は、山村貞子の生々しい幻覚を見て、ビデオの呪いは本物と実感する。

水難事故で息子を亡くした安藤は「呪いのビデオは、自殺する勇気のない自分への、高山からのプレゼント」であり、この世に残っているビデオを全て破壊することが自分の使命だと思う。

残るビデオを渡すよう迫る安藤に、吉野は一旦は拒否するが、ビデオを観てもいないのに貞子の夢を見たと脅え始める。
安藤を呼び出してビデオを渡した直後、吉野は窒息死する。

最後のビデオを破壊したものの、死の恐怖と息子を失った悲しみに取り込まれる安藤。
その様子を見ていた高野舞は、安藤の悲しみを読み取り、一夜をともにし慰め合う。

一方で宮下は、最初に死亡した4名をはじめとする一連の死亡者の解剖結果を確認し、高山を含めた全員の心臓に原因不明の腫瘍があること、体内に天然痘に似たウイルスが確認できたことから、新種のウイルスによる死亡の可能性があると推測する。

新種ウイルス説を聞いた安藤は宮下に、ウイルスはビデオを観たために発生すると言い、自分もウイルスの検査をしてほしいと頼む。

©KADOKAWA

高野舞は安藤と過ごした翌日から連絡が取れなくなっていたが、数日ぶりに安藤の勤める病院に現れた。
内向的で口数も少なかったはずの高野舞は、一転、煽情的な服装で挑発的に安藤を誘う。

しかしさらに翌日、高野舞がビルの排気溝から遺体で発見された。
舞の遺体は死後数日経過しており、出産した形跡があったにも関わらず赤ん坊はどこにもいなかった。

安藤の体にはウイルスがなく、ビデオを観ていない宮下がウイルスに感染した。
宮下は浅川礼子の手帳が感染源だと言い、ウイルスから逃れる方法があるはずだと安藤に詰め寄る。

安藤は、病院に現れた高野舞が山村貞子であったことに気付き、貞子の生まれ変わり、ウイルスの増殖に手を貸すことで呪いを逃れられることに気付く。

高野舞の姿を借りた山村貞子は、再び安藤の元に現れ、知らなかったとは言え安藤が高野舞と交わったことで貞子復活に手を貸したと明かす。

貞子は安藤と宮下に、自分の受精卵を使って高山竜二を復活させてほしいと頼む。
貞子が安藤に提案した見返りは、亡くなった息子を再生させることだった。

安藤は貞子とリングウイルスが世界に広がることを予測しながらも、息子を再びその手に抱く誘惑に抗えなかった。

貞子は自身を増殖させることができ、高山竜二は浅川礼子の手記を出版することによって更にウイルスを蔓延させることになる。

原作小説と映画との違い

映画「らせん」は、映画シリーズから見るとちょっと話がそれたパラレルワールドの印象がありますが、原作小説を読むとこちらが元のストーリーであることが分かります。

映画「らせん」のあらすじは、ほぼ原作小説に沿っています。
映画シリーズとつなげようとしたために一部、登場人物や関係が変えられています。

細かい点ですが、原作と違っているところ、原作でしか描かれていない内容を少しご紹介します。

※原作小説「リング」「らせん」のネタバレを含みます。

浅川玲子と高山竜二

原作小説では1作目の「リング」から、浅川玲子という人物は登場しません。
原作小説「リング」の主人公は浅川和行という新聞記者で、高山竜二とは高校時代の同級生です。

ビデオの呪いを解くために共に行動をするところは同じですが、高山竜二は生涯独身で子供はいませんでした。

浅川和行は妻子の呪いを解くため妻の実家へ行きましたが、想定していた方法では呪いは解けず、運転中の車の中で妻子が死亡。

浅川和行は運転を誤り事故とショックで廃人となってしまいます。

高野舞

高山竜二の教え子である高野舞は、周囲からは高山の恋人と言われていますが、原作では肉体関係がなかったことが明確にされています。

映画「らせん」では安藤と性交し貞子を身ごもりますが、原作では安藤と肉体関係をもつことはありません。

高山の遺品を整理していた高野舞は、コピーされたビデオテープを発見し、好奇心に負けて観てしまいます。
ちょうどその日が排卵日にあたっていて、変異したウイルスを受精して処女受胎します。

映画では生まれ変わった山村貞子が高野舞の姿になっていますが、原作では高野舞の肉体は貞子の蛹となっただけで、貞子は生前の貞子の姿で復活しています。

吉野

映画では松重豊さんが演じていた吉野という人物は、原作では浅川和行の先輩記者として登場しています。

浅川和行に協力して山村貞子の過去を詳しく調べていましたが、ビデオは観ておらず、浅川の遺した原稿も読んでいません。

原作では調査に深く関わりながら真相を知ることなく生き延びました。

高山竜二のメッセージ

映画では高山竜二の胃の中から出てきた紙きれに、数字の暗号で「present」と書かれています。
原作では、メッセージは2つ出現します。

1つは高山を解剖後、取り出した内臓の代わりに詰めた新聞の一部に現れる「ring」。
安藤は始め、たまたま単語になっただけと思い込もうとしますが、浅川和行が遺した原稿のタイトルが「ring」であったことから高山からのメッセージであると理解します。

さらに、一連の死亡者を調べていた宮下は、高山のDNAの塩基配列の一部に余分な文字列が繰り返し出現することを発見し、その文字列に意味があるのかと安藤にもちかけます。
安藤は苦心の末、その文字列から「mutation」(ミューテイション/変異)を読み取り、ウイルスが突然変異を起こし進化していることを突き止めます。

※このあたり、遺伝学の知識がないもので、説明に誤りがあるかもしれません。

©KADOKAWA

山村貞子の秘密

貞子の性別

映画シリーズでは触れられていませんが、原作「リング」には、山村貞子に超能力があったことに加え、不完全な両性具有者だったことが説明されています。

山村貞子は「睾丸性女性化症」であり、外見は女性なのに子宮がなく生殖能力がありませんでした。

「らせん」で高野舞の子宮を借りて生まれ変わった貞子は、完全な両性具有になっており、男女の交わりなしに子供を作ることができます。

貞子を殺した犯人と呪いの発生

映画「リング」の貞子は、その能力を恐れた父・伊熊平八郎によって頭部を殴られ、井戸に落とされて殺害されました。

原作小説では、貞子を殺害したのは父の入院していた療養所の医師・長尾城太郎です。
貞子の美しさに心惹かれ、療養所付近で強姦。
貞子に抵抗されて傷を負い、念力で殺されそうになったため、貞子を井戸に落として殺害します。

このとき長尾城太郎は天然痘に感染しており、この井戸の中で貞子のDNAと天然痘ウイルス、更に貞子の念の力が混ざり合い熟成されて、新種ウイルスとして覚醒したという流れになっています。

ウイルスの変異

映画シリーズは「貞子の怨念」「貞子の呪い」というホラー路線に進みましたが、原作小説は遺伝に絡むSF路線のホラーになっていきます。

貞子のDNAと結びついた天然痘ウイルスは、ビデオという視覚から入る情報で観る人の遺伝子に変異を起こすことでヒトの体内に現れます。

「らせん」の最初の段階では、このウイルスは心臓冠動脈の一部に腫瘍を作り、約1週間で最大になった腫瘍が心筋梗塞を引き起こします。

しかし、浅川礼子の上司・吉野の死因は窒息死。
ウイルスを調べた宮下は、ウイルスが変異し形状が変わっていることに気づきます。

さらに原作小説では、ウイルスは別方向への進化も開始します。
排卵期の女性の子宮に入り卵細胞に到達、貞子のDNAを持った受精卵となります。
1週間ほどで出産され、母体は衰弱死します。

まとめ

映画「らせん」と原作小説「らせん」のご紹介とネタバレでした。

  • 「らせん」は映画・原作小説ともストーリーはほぼ同じ。
  • 登場人物の関係性や原作「リング」からの流れで一部違いがある。
  • 映画「リング」は不可解な死から逃げられない恐怖、映画「らせん」は増殖・蔓延の恐怖。

映画「リング」シリーズはこの後「リング2」へと続きます。
映画「リング2」は映画「リング」を踏襲した続編になっていて、「らせん」とは違う未来へ進んだ世界を描いています。

原作「らせん」は「ループ」へと繋がり、これまた映画とは全く違う未来に進んでいくことになります。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!