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ポーの一族の新作「春の夢」Vol.2のあらすじ、ネタバレと感想・考察

   

2016年に朝日賞を受賞した萩尾望都先生の名作「ポーの一族」の続編「春の夢」が月間フラワーズにて連載開始されました。
月刊雑誌で重版出来という快挙を成した2016年7月号のvol.1に続く物語です。
登場人物やあらすじを紹介します。
※vol.1、2の内容ネタバレしています。未読の方はご注意ください。

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vol.1のあらすじ

時は1940年代。
第二次世界大戦の只中、戦火を逃れてイギリス郊外へやってきたバンパネラ一族のエドガーとアラン。

住処としている屋敷で、ナチスドイツから逃れてきたという姉弟、ブランカとノアに出会う。

姉弟は伯父のもとに身を寄せていたが、ユダヤ人の父とドイツ人の母の間に生まれたことで周囲から疎まれており、生まれ育った祖国ドイツの言葉も歌も封じ込めて生活していた。

ブランカはエドガーの屋敷から流れてきた祖国の歌に慰められ、以来頻繁にエドガーのもとを訪れるようになる。

一方、アランはエナジー(生命力)が減り、貧血のような症状になってしまう。
エドガーがブランカたちと親しくするのを嫌うが、眠っている時間が長くなり、次第に動けなくなっていく。

■「ポーの一族」新作「春の夢」vol.1のあらすじ・ネタバレはこちら
■「ポーの一族」過去作のおおまかなあらすじはこちら

新たな登場人物

ファルカ

ファルカ

出典:小学館

スラヴ系ヴァンピール(吸血鬼)一族の男。約800歳くらい。
女装が趣味(?)、時々オネエ言葉で喋る。
1925年パリ博でエドガーたちと出会い、アランを助けてくれた。

クロエ

クロエ

出典:小学館

ポーの一族の女性。
アランは定期的にポーの村からの使者と会っているようだが詳細不明。

■「春の夢」vol.1のおもな登場人物はこちら

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ネタバレ

ブランカとノアの姉弟は頻繁にエドガーを尋ねるようになる。
ブランカはエドガーに生い立ちを語り、もっと親しくなりたいと語りかける。
しかしエドガーは、自分のことを語りたくないと言い、友達でいたいから聞かないでくれと言う。

次第に強くエドガーに惹かれていくブランカ。
弟のノアを守り、伯父の家の手伝いをしながらも、エドガーのことが頭から離れなくなっていく。

親しげにエドガーに語りかけるブランカに嫉妬するアランだったが、体調は次第に悪くなり眠っている時間が長くなる。

エドガーは、アランの眠りが長くなるなら住処を変えねばならないと考えるが、以前ヴァンピール一族のファルカがアランの手当をしてくれたことを思い出す。

エドガーの呼びかけに応えて現れたファルカは、アランの手当をしながら、吸血鬼一族の分布や歴史について語る。

800年以上の歳月を生き延びたファルカは、自分よりも更に古い大老(キング)ポーの一族と、その血を直接受け継ぐエドガーに興味を示していた。

そんな折、エドガーはポーの村からの手紙を受け取る。

アランをファルカに託し、エドガーはポー一族の使い・クロエと面会するためチェスターへ出向く。

感想と考察

境遇上、ブランカがエドガーに惹かれていくのは想像がつきましたが、新たな吸血鬼一族とポー一族の使い人が登場しました。

ファルカは中欧~東欧あたり出身の吸血鬼一族で、エドガーの推測ではポーランドあたりから来ています。
ポーランドの近くにはドラキュラ伯爵でお馴染みのルーマニアがあります。
由緒正しき(?)吸血鬼一族のようです。

ファルカの800歳には及びませんが、エドガーは180~190歳くらいだと思われます。
アランよりも100年ほど長くバンパネラとして生きているためか、アランを子ども扱いしているところがあり、面倒な相談事などはほとんどしません。
一緒に旅をしてはいても、住まいや一族に関する決め事も、すべてエドガーが取り仕切っています。

自分が死んでしまったら…っていうことは、考えないんでしょうかね。

ポーの一族の物語には、自分が吸血鬼であることを嘆き苦しんでいる人たちと、比較的気楽に、その時々の生活を楽しんでいる人たちが登場します。
ファルカは後者のようですが、エドガーはもともと望んで一族に加わったわけでなく、妹と死別したせいもあってか、自分が吸血鬼であることを憂えているようにも見えます。

100歳超えですから老成するのもわかるのですが、今作のエドガーは感情をほとんど表に出しません。
ブランカもその辺を不思議に思いつつ、逆に年齢に似合わないエドガーの落ち着きや気遣いに惹かれてもいます。

エドガーたちの屋敷は良くも悪くも現実を忘れさせてくれる場所。
祖国を追われて以来、言葉も音楽も、思い出さえも封じ込めて生活してきたブランカが、年相応の娘らしい表情を見せているところは微笑ましくもあります。

こう見てみると吸血鬼たちは、人間同士が愚かに争いを繰り返す中、静かに歴史を見守っている存在でもあるんですね。

クロエとポー一族の目的は?
アランとブランカの感情のもつれはどうなるのか?
ブランカとノアは無事に戦争を生き延びることができるのか…?

…なんか、ファルカが死んでしまいそうで不安…。

次回は2月28日(火)発売予定の月刊フラワーズ4月号に掲載予定です。
待ち遠しい!

萩尾望都先生、朝日賞を受賞

40年ぶりに「ポーの一族」の続編を掲載した雑誌が完売し、月刊誌としては異例の増刷分も完売。
長きにわたって愛される作品を書かれたことに対し「少女漫画界に革命を起こした」として表彰されました。

とはいえ、「ポーの一族」以外に現在も現役で連載作品を書き続けられており、今更感を受ける方も多いかもしれませんね。

朝日賞とは

学術、芸術などで素晴らしい業績をあげ、文化・社会の発展・向上に功績のあった個人または団体に贈られる賞です。
1929年に創設され、毎年1月から12月までの業績をもとに選出されます。

2016年の受賞者

萩尾望都さん(漫画家)
辻惟雄さん(美術史家)
中島啓さん(数学者)
113番元素研究グループ 森田浩介さん(代表)

各受賞者の功績と受賞の言葉は朝日新聞社サイトから閲覧できます。

萩尾望都先生の受賞のことば(引用)

いつか描くつもりで気がついたら還暦を超えてしまい、これから目も悪くなるし体力も衰えるし、今しかない、と。
絵柄も変わってしまったのに、こんなにも作品が愛されていると知って感激しました。
コマを割り、絵を配置し、読者の視線がページの上を流れる。
そこにリズムとメロディーのようなものが生まれる。
漫画は音楽のように、感情をダイレクトに刺激するんです。

引用元:朝日新聞社WEBサイト

ずっと書き続けて、今もなお変わらぬ漫画愛に感動しました。

■NHK「漫勉」に登場した萩尾望都先生の作画風景はこちら

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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