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映画「みんなのいえ」感想・レビュー・ネタバレ。妻役に八木亜希子

      2016/09/09

今回は三谷幸喜さんの映画作品3作目にあたる「みんなのいえ」のあらすじ・感想をご紹介します。
※ネタバレありますので、観ていない方はご注意下さい。

映画データ

タイトル:みんなのいえ

映画みんなのいえDVD

出典:Amazon.co.jp

脚本・監督:三谷幸喜
出演:
 田中直樹(ココリコ)
 八木亜希子
 唐沢寿明
 田中邦衛
 吉村実子
 白井晃
 野際陽子
 山寺宏一
 清水ミチコ

 近藤芳正
 田口浩正
 遠藤章造(ココリコ)
 梶原善
 
 中井貴一
 布施明
 明石家さんま
 真田広之
 梅野泰靖
 戸田恵子
 香取慎吾
 大塚範一

動画情報:2016/1/14現在、dTVにて動画配信中

あらすじ

バラエティ番組に携わる放送作家の飯島直介とその妻民子は子供はいないけど仲の良い夫婦です。
30代の若い2人が新居を建てようと土地を決めたところから物語が始まります。

民子は若い感性でモダンな新居を望み、大学の後輩でインテリアデザイナーの柳沢に設計を頼みます。
直介は親孝行だと言って、施工を民子の父・大工の長一郎に依頼しようと提案します。

横文字の建築様式や外国の建築家の名前を並べ立てる柳沢と、彼の出してきた図面に対し、50年来大工としてやってきた長一郎は反発します。
ドア1枚、間取り1つで衝突し、話が前に進みません。

昔気質の頑固者・長一郎と、こちらも頑固で腕っ節の強い柳沢の間で、直介はなんとか間を取り持とうと奮闘しますが…。

ネタバレ

※映画内容のネタバレです。これから観ようと思っている方はご注意下さい。

何かにつけ柳沢の図面に不満を並べる長一郎でしたが、どうにかこうにか折り合いをつけながら、話は進んでいきます。

現地に資材を運びこむ段になって、柳沢は「洋風の建築だからインチ寸法でやらないとダメだ」と言い、長一郎と須賀は「日本の材木は尺寸で作られていて無駄が出る」「尺寸でないと建てられない」と言います。

「あなたが決めて下さい」と迫られた直介は、予算のこともあり尺寸で建ててくれと言い、柳沢は腹を立てて立ち去ってしまいます。

その後、連絡がない柳沢を心配した民子に頼まれ、直介が様子を見に行きます。
柳沢は「アーティストでありたい」「興味はゼロになった、仕事としてはやるけどね」と斜に構えた態度で言います。

そんな柳沢に直介は「だったら期限を守れ」と怒鳴ります。
さらに「職人とアーティストは両立できないものじゃない、アーティストとしての情熱は失ってほしくない」と訴えます。
そんな直介に、柳沢は仕事を続ける意欲を取り戻します。

地鎮祭を終え、着実に工事が進む中、現場へ出向いて指示をする柳沢は、良いものを作りたいと現場で働きかけますが、横文字で理解出来ないことを言う柳沢に、昔気質の職人たちは冷たい態度を取ります。

柳沢の要求をことごとく無視していた職人たちでしたが、柳沢が指定したタイルが昔ながらの「たけわり」タイルであることに気付いた一人の職人がいました。

柳沢が古くて良いものも知っているとわかり、長一郎は柳沢のデザインした内装に興味を持つようになります。

映画みんなのいえ

映画「みんなのいえ」より

たけわりタイルをきっかけに距離が近づいた長一郎と柳沢でしたが、納得できないまま妥協を続けてきたことにひっかかっていた柳沢が、塗り上がったばかりの壁に別の色のペンキをぶちまけます。
怒った長一郎は柳沢に、現場から出て行けと怒鳴りつけます。

工事の進む現場に大雨が降ります。
現場が心配になった長一郎は懐中電灯とバケツを持って現場に向かいます。長一郎が建物内を確認していると、同じくバケツを持った柳沢が飛び込んできます。
互いの目的が分かった2人は協力して現場を確認。

家の無事を確認した2人が仲良くお茶を飲んでいると知った直介は2人に嫉妬し、じっとしていられず、大雨の中、車を飛ばして現場へ向かいます。

現地へもうすぐというところで、仕事があるからと現場を離れた柳沢の車と接触しそうになります。
危うく衝突は免れたものの、大きくハンドルを切った柳沢の車は横転、直介は無傷でしたが柳沢は右腕を傷めてしまいます。

柳沢が翌朝までに直す予定だった家具が、横転した車内に残されていると知った直介は、長一郎にも協力を頼んで家具を建築中の家の中に運び入れます。

家具は事故の衝撃でバラバラになっており、修復は不可能、約200万円の損害だと柳沢は言いますが、長一郎は「これ以上ひどいことにはならない。やってみよう」と修理を始めます。

何度も諦めかける柳沢に対し、長一郎は持てる技術をつぎ込んで丁寧に修理を進めていき、ついに家具は完成します。

2人の職人と、間を取り持つ直介、3人の記念品を屋根裏にそっと置く長一郎。

やがて完成した家で、家族や職人たちが集まってお披露目会が開かれました。様々な確執があったものの、長一郎は縁側で、柳沢はベランダで、それぞれ満足顔。

ラストシーンでベンチに並んで座る長一郎と柳沢。
ドアの開け方が設計と違うと言う柳沢に「内開のドアなんて聞いたことねえ」ととぼける長一郎でしたが、最初の頃とは違う温かい言葉が交わされます。

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私的な指摘

エドワーディアンって?
作中で長一郎が修復する家具について、柳沢が「エドワーディアンだぞ!」と貴重さを強調するシーンがあるのですが、エドワーディアンとは何でしょう?
1901年~のイギリス・エドワード7世の時代に作られた様式の家具のこと、だそうです。
100年以上も昔の家具が、当時の姿を保ちつつ、年月を重ねた風合いをもって現代にも使われているのはすごいことですね。
年を経た木の艶、なめらかさ、本当に美しいです。金具や模様も凝っています。

エドワーディアンの家具

出典:Pancada

アンティーク家具・パンカーダのHP

古い道具にときめく
その道50年の大工の棟梁・長一郎が使う道具たちが素敵です。
材木にまっすぐ線を引く墨壺、木材の表面を削る鉋(かんな)、板の側面に溝をつけるしゃくり鉋…。
どれも長く使われ、よく考えられた、歴史のある日本の道具たち。
そんな道具たちと、それを使う職人さんの手つきは素晴らしく美しい!

職人気質のぶつかり合いに感じ入る
片や失われゆく日本建築を愛して50年の職人、片や西洋の歴史的建築を研究し追求するアーティスト。
どちらも自分の仕事に信念と誇りを持っています。
物語の中で、直介が「僕に言わせればあの2人はそっくりなんだ、だからぶつかるんだよ」と言っていますが、ぶつかるところはとことんぶつかり、解り合うときには深く解り合う姿に感動します。

無声映画のような…
幕間のタイミングで、黒背景に白文字のことわざや名言が挟み込まれます。
昔のサイレンス映画のような、古くて懐かしいようなイメージです。
またそのことわざ、名言が物語の流れと合って「ははあ、なるほどね」と思ってしまうので、こちらも注目!

いじめ、ダメ!ゼッタイ
設計段階では、民子の反発もあって我を引っ込めたかに見えた長一郎でしたが、建て始めてみると大工はみんな長一郎の古い仲間達。
「建てるのは俺たちだ」と言って、設計図を無視して6畳の和室を20畳に変更。
壁の色や照明など、柳沢がデザイナーとして提案するものに対し「時間がない」「もっと早く言ってくれりゃあよ」などと言い訳をしては無視。
挙句に、現場にいても邪魔者のように扱われている柳沢…。
大人げない!実際現場でこういうことがあったのかもしれませんが、職人としての誇りはどこいった!と怒りさえ感じてしまうシーンでした。

ラストはほっこり笑顔に
夫婦仲良く、職人も満足顔、友人知人にも祝福されて、なんだかんだでハッピーエンド。
ハラハラしていた2人の職人たちは、頑固でゆずらない態度は変わらないながら、どこかでお互いを理解した様子。
最後はホッとして笑って「よかった!」と言える映画でした。

映画みんなのいえ

映画「みんなのいえ」より

ちょっと裏話

この映画は若夫婦が家を建てる過程での、大工さん・デザイナーさん・その他周りの人たちのドタバタを描いています。

実は人間関係や揉めた内容など、三谷幸喜さんご自身の体験がもとになっているのだそうです。

この映画を撮る前年に、ご自身の家を建てられた三谷さん。映画とほぼ同じ人間関係の中にあった確執を見ていて、これは映画になる!と思ったと語ります。

いやいや、それどころじゃないでしょうと思うのですが(笑)そこが三谷さんのすごいところですね。

映画の中ではラストで大工さんとデザイナーさんが和やかに語り合っていますが、実際は和解のシーンはなかったそうです(汗)

(三谷幸喜創作を語る(講談社)より)

おまけ

本編の主要人物でなく、ほんのちょっと画面に登場するという出演を「カメオ出演」というそうです。
三谷幸喜さんの作品には、超有名人がカメオ出演、または本当にチョイ役で出演されることがありますが、今回もまた…。

お笑い界の大御所・明石家さんまさん、元アナウンサーの大塚範一さん、SMAPの香取慎吾さん。

他に、ラヂオの時間の配役そのままで出演している布施明さん、戸田恵子さんもいます。
「あっ、千本のっこだ!」と喜んだ方は既に三谷さんファンですね(笑)

皆さん「あっ今…」という登場の仕方をされてるので、ぜひ探して下さい。

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最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!

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