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「12人の優しい日本人」あらすじ紹介。動画は?キャスト・ネタバレ・感想!

      2016/09/09

こちらの記事は三谷幸喜さん脚本で、舞台でも上演され、映画になった「12人の優しい日本人」についてのレビューです。
あらすじ、ネタバレに加え、個人的感想と、三谷さんのインタビュー本から裏話を少しご紹介します。

映画データ

12人の優しい日本人

出典:Amazon

タイトル:12人の優しい日本人(舞台は1990年~、映画は1991年)
脚本:三谷幸喜
監督:中原俊
出演:
 塩見三省(陪審員1号/陪審員長)
 相島一之(陪審員2号)
 上田耕一(陪審員3号)
 二瓶鮫一(陪審員4号)
 中村まり子(陪審員5号)
 大河内浩(陪審員6号)
 梶原善(陪審員7号)
 山下容莉枝(陪審員8号)
 村松克己(陪審員9号)
 林美智子(陪審員10号)
 豊川悦司(陪審員11号)
 加藤善博(陪審員12号)
 久保晶(守衛)
 近藤芳正(ピザ屋)

動画情報:2016年1月8日現在、dTV・TSUTAYA TVで配信されています。

あらすじ

アメリカやイギリスでは既に導入されている陪審員制度。
もしも日本に陪審員制度があったら?という仮定で描かれた作品です。

映画中、陪審員それぞれには名前がついていません。
(話中で勝手に自己紹介をする人もいますが…全員の名前が分からないので、このブログでは陪審員1号、2号と説明させていただきました。

審理されているのは、ある女性の殺人嫌疑について。
別れた夫から復縁を迫られた21歳の女性は、元夫と路上でもみ合いになり、元夫は走ってきたトラックに跳ねられて即死します。

会議室に集まった、互いに見知らぬ12人の陪審員、まず最初に「被告は有罪か無罪か」で決を取った時には、全員一致で「無罪」でした。

ところが若い男性陪審員2号が「有罪」へと意見を翻します。
理由はと問われ「話し合いたいんです」と答える2号に対し、無罪に変えてさっさと審理を終わらせるよう説得する陪審員たちでしたが、次第に真剣に話し合うようになっていきます。

ネタバレ

※映画内容のネタバレを含みます。これから観ようと思っている方はご注意下さい。

陪審員のルール上、無罪でも有罪でも、12人の陪審員全員の合意のもとに決定されなければなりません。
合意に至らない場合は「評決不一致」となり、陪審員を変更して再審理となります。

最初に1人で反対意見を言う2号は、明確な根拠がなくかなり劣勢、そのまま審理終了と思われましたが「殺意の証拠がない」と無罪を主張していた男性陪審員9号が意見を変えます。
「私も話し合いが好きなんでね」と。

物的な証拠が何もない会議室で、被告の言葉、現場を通りかかった証言者の言葉、トラック運転手の言葉、そして現場の状況という材料だけで話し合いが進み、その中で次第に状況が明確になっていきます。

被告女性が子供のためにピザの出前を頼んだことが、元夫を殺害する時間を考えていたからだと解釈され、被告は計画的に元夫を殺害した、と結論づけられますが、そこでずっと無罪に票を投じてきた男性陪審員1号=陪審員長が発言します。

1号は以前にも陪審員をやり、その時は全員一致で有罪決定。結果、1人の男性が死刑になり、非常に後味が悪かったと話します。

12人の優しい日本人

「12人の優しい日本人」の1場面

1号の話を聞き、有罪を指示していた人がまた揺れます。
死刑はだめだ、でも有罪だ、それならばと、殺意を否定し執行猶予をつけることで、有罪支持・無罪支持お互いに妥協しようという提案が出ます。

ここまで証拠が出揃って、妥協案まで出て、やっと終わり。

…と思ったら、ずっと明確な意見を言わずにいた男性陪審員4号女性陪審員10号がうんと言いません。
周囲は4号、10号を説得しようとしますが、やたら法律用語を出していた男性陪審員11号が「私は弁護士だ」と言い、2人と同じ無罪側へついてしまいます。

最初から有罪を主張していた2号と、有罪を確信していた9号が反発する中、4号、10号、11号がそれまでに出た全ての有罪根拠をひっくり返していきます。

目撃者とトラック運転手の証言の信ぴょう性が怪しくなり、他の陪審員が次々に無罪へ傾く中で、感情的に被告は有罪だと主張する2号。

実は2号は妻と別居中で、被告を妻とかぶらせていたのでした。
11号が2号に「被告はあなたの奥さんではありませんよ」と告げて、ようやく長い一日が終わります。

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私的な指摘

日本人だな~(笑)
元ネタになっている「十二人の怒れる男」では、慣れ合いとかチーム作りとかはなく、あくまで1人1人の陪審員の気持ちが揺れているのですが、この「優しい日本人」は、まず最初から「楽しくやりましょう」とか「仲良くしましょう」あるいは「裏切った」など、ムラ的発言がどんどん出て来ます(笑)

疑わしきは罰せず
基本はこれなんですよね。
証拠品は何もない、確信出来る証拠はない、あくまで全て「可能性」でしかない。
2号は「罰する証拠」を探していて、その理由は最後になって出て来ましたが、最初無罪と言ってた人たちは結果的に「罰しない」根拠を探していたな、と。
まぁー、ここの陪審員さんたちは最初から「やってると思うけど無罪で」って言っちゃうような人たちなんですが(笑)

あっちに転がり、こっちに転がり
主に発言している人は5人くらいなのですが、そこに茶々を入れたり、審理に関係ない文句を言ったり、出前の飲み物が届いたりと、中盤までは結構わちゃわちゃしています。
で、今どうなってるの??という感じで、観ているこちらが半ば少しダレてしまいました(汗)

ラストは気持ちよく!
ゴネた人も、拗ねた人も、頑張った人も、困った人も、最後に部屋を出て帰る時はなんだかスッキリしていました。
誰一人「納得できない」人がいなかった、もう話し合い尽くした、そんな感じでした。
極個人的意見ですが、話し合いは本来こうでないとって思います。
清々しいエンドで満足!

ちょっと裏話

この脚本のヒントになったアメリカの映画「十二人の怒れる男」を、三谷幸喜さんはわずか10歳の頃に観たそうです。

十二人の怒れる男」はモノクロ映画で、会議室の中で陪審員がひたすら話し合うという内容。
派手なアクションもなければ、カッコイイスターも出ない、妖精も魔法使いも出ない、子供が観ても退屈で仕方ないだろうっていう映画なんですよ。
その映画を、10歳の三谷さんは爆笑しながら観ていたんだそうです。

何がツボったのか!?

12人もの大の大人が、自分には全く関係ない事件について、あーでもないこーでもないと真剣に議論する姿におかしさを感じてしまったのだと。
もうこのあたりで、笑いのセンスが他人とは違いますよね(笑)

個人的には「十二人の怒れる男」のほうを観て、笑える場面はなかったと記憶しています。
対して「12人の優しい日本人」には、「こういう人いるいる」っていう日本人が登場し、だらだらごちゃごちゃしている中に可笑しみがありました。
「優しい日本人」を観てから観ると、三谷さん的な可笑しさを見出すことができるのかも?(笑)

おまけ

12人の怒れる男

出典:Amazon

アメリカのテレビドラマ、のちに映画となった「十二人の怒れる男」について少しご紹介を。
この作品は、「優しい日本人」とは逆に、最初は11人の陪審員が有罪、たった1人だけが無罪を主張します。
11対1で有罪がほぼ決まったような状態から、少しずつ事件の状況が説明され、陪審員が考えを変えていくストーリーです。

人種差別、偏見、個人的感情など色々入り混じり、被告に対して圧倒的に不利な状況から、論理的に一つ一つの証拠・根拠を見直していく過程が見どころだと思います。
興味が湧いたら、ぜひ併せて観ることをオススメします。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!

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