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香取慎吾主演スペシャルドラマ・ストレンジャー、その意味と原作は?結末ネタバレ

      2016/09/09

今宵、闇に紛れてバンパネラが現れる!?
ゴシックミステリードラマ「ストレンジャー」の物語を結末までご紹介します。
※ドラマ「ストレンジャー」のネタバレです。これからドラマ見る、という方はご注意を。

「ストレンジャー」ってどういう意味?

ストレンジャー=strangerの意味を辞書で調べると、「知らない人」「よそ者」「初めて来た人」といった意味が書かれています。
「旅行者」を指して使う場合もありますね。
形容詞のstrangeでは「奇妙な」「異様な」「未知の」といった意味もあります。

ドラマ「ストレンジャー」のドラマ中では、バンパネラと接触し、そのことを本に著した人物によって「時を彷徨う旅人」と説明されていました。

原作はあるの?

ストーリーの原作はなく、演出家でもある脚本家・鈴木勝秀さんのオリジナル脚本です。
原案として萩尾望都さんの漫画「ポーの一族」から、バンパネラの設定等を採用しています。

■バンパネラの設定や原案「ポーの一族」についてはこちら

鈴木勝秀さんプロフィール
1959年生まれ、神奈川県横浜市出身
早稲田大学在学中に演劇活動を開始。
1987年 「ZAZOUS THEATER」旗揚げ、主宰兼構成・演出を担当。
1998年 映像作品の脚本家として「世にも奇妙な物語」脚本などを担当。

多数の舞台作品の他に音楽ライブ、映画、テレビ脚本も手がけています。
スタイリッシュかつ繊細な演出に定評があります。

監督は本広克行さん
踊る大捜査線シリーズの他、劇場版サイコパスの総監督も務められました。
香川県出身で映画「UDON(うどん)」の監督でもあります。

予告動画の雰囲気はゴシックホラー、そしてあらすじはミステリーと、かなり気になる内容です。

あらすじ

相関図

出典:TV asahi

現代東京、都内で首を締められた上に頸動脈から血を抜かれた他殺死体が発見される。
警察は同一犯人による連続殺人事件を考慮に入れつつ捜査をすすめる。

一方、三杉晃と真理亜という2人の人物が、深夜に古書店主の前島を訪ねる。
前島は三杉に「あの子を迎えに来たのか」と言う。
あの子とは、三杉が14年前に約束を交わした少女・香織のことだった。

玉井詩織

出典:TV asahi

鏡に姿が映らない2人は、不老不死のバンパネラであり、前島もまた彼らの仲間だった。
香織との約束の日の夜、公園に向かった三杉は、路上駐車している車の中で見知らぬ女性・相沢陽子が自殺しようとしているところに遭遇、思わず手当をしてしまう。

処置を終えて待ち合わせ場所に行くと、香織が殺害されていた。

殺人事件を担当していた刑事・佐伯は、香織の過去を調べる。
香織が養護施設出身で、大人になったら”お兄ちゃん”が迎えに来ると話していたことを知る。

佐伯は三杉が”お兄ちゃん”ではないかと考え、連続殺人事件との関わりを調べ始める。

自分が疑われていることに気付いた三杉は、真理亜とともに真犯人を探す。

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ネタバレと感想

真理亜と三杉は連続殺人事件が起きた現場へ出向き、その場に残った血のにおいから被害者の記憶に接触しようとするが上手くいかない。

一方佐伯は三杉に接触して、三杉は犯人ではないと感じるが、何か普通の人と違うことを感じ、ネットで調べる。
民俗学者の稲村一郎が過去、三杉と会った際のことを書いている本を発見する。
出版年は1950年。本はとうに絶版になっていたが、佐伯は図書館でその本を見つけ、「時を超えて生きる一族」について書かれた内容を読む。

出典:TV asahi

出典:TV asahi

独自に捜査を続けていた三杉と真理亜だったが、古書店店主でありバンパネラの仲間である前島から止められる。
前島は、バンパネラは死なないのではなく瞬間だけを生きている、痕跡を残してはいけないと諭す。

しかし三杉は時が止まる前、妻と娘を亡くしており、娘同様に思っていた香織を守れなかった自分に強い憤りを感じていた。
不幸にして幼い頃に両親を失った香織は、成人し三杉が迎えに来るのを待っていた。

さらに、犯人に持ち去られた香織の髪飾りは三杉が娘の形見を与えたものだった。
形見の髪飾りを取り戻したいと言う三杉に、真理亜は協力を続けることを承諾した。

香取慎吾

出典:TV asahi

そのころ警察では、香織の爪に残った皮膚や血液が採取され、過去に犯罪歴のない者が犯人である可能性が高くなっていた。

警察と真理亜たちが真犯人へ向かう中、佐伯は稲村一郎の息子・稲村史郎と会う。
稲村から三杉の写真を見せられ、自分が会った三杉と同一人物だと知った佐伯は衝撃を受けながら写真を借り受ける。

萩原聖人

出典:TV asahi

連続殺人事件の新たな犠牲者が出た。
警察は前日に付近を自転車で通りかかった、生物学を研究する学生・久野原が現場に現れていたことから、久野原を捜査対象に加える。

同じ頃、真理亜は真新しい血痕が残る現場へ出向き、血のにおいから被害者の最期の記憶を読み取り、犯人を特定する。

中条あやみ

出典:TV asahi

佐伯は同僚の刑事とともに久野原の自宅へ行き、家宅捜索をするが、同じ頃、真理亜と三杉はにおいで突き止めた真犯人の自宅へ向かっていた。
本当の犯人は、久野原と同じ大学生の宮本だった。

真理亜と共に自宅へ押し入った三杉が、宮本に髪飾りを返すように言うが、宮本は開き直って真理亜を人質に取る。
真理亜は宮本の喉に噛みつき、生命力=エナジーを吸い取る。

三杉が、倒れている宮本から髪飾りを奪うと、真理亜は宮本の自宅から佐伯の携帯電話へ発信。
受話器をあげたままその場を離れた。

現場に駆け付けた佐伯と同僚刑事は、倒れている宮本と冷凍庫に入れられた宮本の母親の死体、冷蔵庫に入れられた大量の血液など、異様な現場を確認し、宮本を確保した。

出典:TV asahi

出典:TV asahi

警察で取り調べをした結果、宮本は母親に抑圧されており、母親を絞殺したことがわかる。
しかし自分が殺害し母が死んだという事実が受け入れられず、母は吸血鬼となって生き続けているという妄想を抱いてしまった。
宮本は母のために血を集める必要があり、事件を起こしていたと供述した。

中条あやみ

出典:TV asahi

佐伯は不思議な現場の様子から、宮本に三杉の写真を見せるが、宮本は「知らない」と強く否定する。
佐伯は晃が何らかの形で事件に関わっているはずだと感じながら、確証を得られないまま。

真理亜と三杉は町を離れることにした。
去り際、病院を訪れ、自殺しようとした女性・相沢が目覚めたことを確認した。

「なんで邪魔したの」
と三杉をなじる相沢に、
「命を粗末にしてはいけない」
と告げる。
それは三杉自身が自殺しようとしたとき、真理亜が言った言葉だった。

感想

舞台が現代日本でありながら、大正っぽい古めかしい映像で雰囲気にすごく惹きこまれました。
萩尾望都さんの原作世界がとても哀しく美しいので、それをどんなふうに表現するのだろうと思っていましたが、核になる精神的な部分が押さえられていて、優しく哀しいバンパネラの物語でした。

タイトル、特に副題を見て「えー!?」と思ったのですが、このドラマは続編が見たいドラマでした。
この世界観と雰囲気、そして中条あやみさんの怪しい美しさが素敵でした。

伏線やら背景やら

Unlearn=記憶から消し去る
三杉晃が町に滞在する期間だけ教師をやっているのですが、授業風景の中で出て来る言葉。
この言葉を最初に説明しつつ、ドラマの中で何度も繰り返し登場させています。

バンパネラが100年、200年と生き続けていくには、辛いこと、哀しいことを記憶から消し去らなければいられないとほのめかしながら、ラストでの三杉の言葉につながっていきます。

ただ忘れるというよりもっと、意思をもって記憶を消すという意味合いに受け取れました。

稲村史郎の話
100年前に三杉晃の大学時代の友人であった稲村史郎が書いた本「私と三杉晃」の一部を佐伯が読んでくれたので、その内容を。

時を超えて生きる一族がいる
我々の前に現れては消え、
永遠の時を生き続ける不老不死の一族
記憶の中で彼らの姿は変わらず
我々の時間だけが空しく過ぎ去る
彼らは幻なのか

そして稲村の息子・史郎が父から聞いていた三杉晃の話。

父の大学時代の友人に三杉晃という男がいた。
不幸な事故で妻と娘を亡くし、失意のまま行方不明になった。
しかし22年後に三杉と再会した時、行方不明当時と三杉晃の容貌は変わっていなかった。

佐伯は、理性では否定しながらも本能的に三杉晃は普通の人間ではないことを見抜いています。
しかし確証を得ることはできないまま、三杉は真理亜とともに町を去ってしまいます。

もしも佐伯が誰か身近な人間に三杉のことを語り残すことがあれば、遠い未来のどこかで佐伯の子孫が三杉と出会うことがあるかもしれませんね。

「あぁっ、まっずい!」
真犯人の自宅に乗り込み、三杉の娘の形見である髪飾りを突きつけられ脅迫された真理亜がプチ切れ。
犯人の喉に噛みついた後の台詞(笑)

中条あやみ

出典:TV asahi

バンパネラはそう簡単に仲間を増やしたりはしないのです。
噛みつかれた犯人・宮本が「俺も化け物に…」と言うと真理亜はすかさず「お前にそんな資格はない」と切り返します。
不老不死になる仲間は慎重に選ばれるべきであり、その価値のない人間には、定められただけ生きるといい、と言います。
かっこいい。

バンパネラの哀しさ
犯人が捕まり、事件が終わった後、真理亜は皮肉を込めて言います。
「死にたい人間を助け、守りたい人間を失った。
Unlearn(記憶を消し去る)するしかないわね」

憶えていても苦しいばかりの記憶は、忘れてしまいなさいと言う真理亜や前島に対し、三杉は、
「忘れられることは悲しい、忘れられてしまえばその人は本当に死ぬ」
と言います。
「俺はだから、俺の愛した人や大切な人のことを絶対に忘れない、そう決めたんだ」

中条あやみ 香取慎吾

出典:TV asahi

「苦しいだけよ。人間てなんて愚かなんだろう
 何百年経っても何千年経っても決して成熟しない」
そう言いながら、真理亜の言葉は優しく響いていました。

流れていく人々の中に一人残されるバンパネラの哀しさは、原案「ポーの一族」でも痛いほど伝わりました。

「あなたがいなくなったら、また一人になってしまう」

ドラマ中でも呟かれたこの言葉の深い意味を、定められた命を生きるワタクシは本当には知ることはできないのかもしれないなと思います。

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