物語を追いかけて

映画、ドラマ、小説のストーリー、感想、小ネタを紹介します。

*

小説「のぞきめ」ネタバレ

      2016/09/07

映画「のぞきめ」の原作小説より。
三津田信三さんの小説「のぞきめ」のネタバレです。
未読の方はご注意下さい。

■映画「のぞきめ」のあらすじとネタバレはこちら

序章

編集者から作家になった語り手「僕」は、編集者時代から仕事に絡めて怪異譚を蒐集していた。

蒐集した話は後に実話怪談本などとして世に出すことがあったが、小学校教師であった利倉成留(とくら・しげる)から聞いた「覗き屋敷の怪」と題した話は、何故か発表しないでいた。

ある時、知人の紹介で知り合ったライターの南雲から、民俗学者・四十澤想一(あいざわ・そういち)のノートの話を聞く。
南雲は十数年も四十澤老人の自宅へ通い、そのノートを盗んできており、コピーを「僕」に売ると言う。

ノート

出典:写真素材足成

「僕」は断るが、後日南雲からノート原本が郵送されてくる。
どういうことかと問いただす「僕」に、南雲は「読むなら覚悟しておくことだ」と言う。
南雲の様子は明らかにおかしくなっていた。

「僕」は好奇心に駆られつつ読まないまま、事情を書いた手紙とともに四十澤にノートを返却した。

さらに時が経ち四十澤の死後、弁護士から「僕」のもとに、正式に譲り渡す旨の手紙とともにノートが送られた。

ノートを読んで「覗き屋敷の怪」と名付けた先の話と、ノートに書かれた「のぞきめ」の怪異とが、同じ場所の話であることに気付いた「僕」は、2つの話を並べて本にすることにした。

第1部「覗き屋敷の怪」

利倉成留(とくら・しげる)が大学生の時の話。
成留は教育実習も終えた最後の夏休みを、休暇兼バイトをして過ごすことにした。

現地で3人の大学生・彩子(さいこ)、和世(かずよ)、勇太郎(ゆうたろう)と合流した成留は、Kリゾート管理人の三野辺(みのべ)氏の車で三野辺夫妻の自宅へ向かった。

殺人的な忙しさだった7月が過ぎ、唐突に、不自然に客足が途絶えた8月。
和世が母子の巡礼者に誘われて山道へ入り、湧き水を飲んできたと3人に打ち明けた。

散策ルートから外れた山道は、三野辺から入るなときつく言われており、さらに付近にある滝を探す巡礼者がいたら報告するようにも言われていた。
和世は、滝を探すのではなく滝の方角から来たので報告はしなかったと言う。

巡礼者

出典:写真AC

和世が再びその湧き水の場所へ行くと言うので、4人は示し合わせて禁じられた山道へ入った。
山道の苦手な和世が往復したとは思えない険しい道が続き、一度は往復したはずの和世本人が顎を出していた。

ようやく着いたそこには不自然にきれいな四角い形で、深い亀裂の入った巨石があった。
歩き疲れてバテていたはずの和世が、憑かれたように石の向こう側へ進んで行ってしまう。

後を追った3人は廃村へ迷い込み、無数の目に見つめられる感覚に襲われる。
追ってくる気配と鈴の音から逃げ、どうにか三野辺夫妻の家までたどり着いたものの、和世と勇太郎の2人は「覗きたい衝動」に駆られるようになった。

隙間

出典:写真素材ぱくたそ

バイトを辞めた2人はKリゾートから去るが、帰路、勇太郎は駅の階段から転落死した。
その胴体は奇妙に捻じ曲がっていた。
和世は自宅へ帰れはしたが、何かに覗かれる気配に怯え自室に引きこもってしまう。

連絡が取れず心配した彩子と成留は三野辺に事情を打ち明けるが、愛想の良かった三野辺は突如無表情になり、2人を追い出すように駅まで連れて行く。

彩子は知り合いの拝み屋に頼み和世の憑物を祓ってもらうが、和世は巡礼者から鈴を受け取っており、Kリゾート付近で転落死する。
死亡するほどの高さもないのに、地面に隠れた岩で頭を強打した和世の遺体もまた、胴体が奇妙に捻じ曲がっていた。

成留も「覗かれる怪異」に憑かれるが、拝み屋のおかげで事無きを得る。
憑物は祓われたと思った彩子だったが、時がたつにつれ「覗く」衝動が現れるようになった。

スポンサーリンク

第2部「終い屋敷の凶」

大学で共に史学科・日本史を専攻していた四十澤想一(あいざわ・そういち)と鞘落惣一(さやおとし・そういち)は、互いの性格や同音の名前から親友となった。
2人は共に民俗学、特に伝承や怪異な習俗について興味を持っていた。

鞘落惣一は故郷の話をしたがらなかったが、民俗調査でしばらく離れて過ごすことが決まった夜、四十澤に語る。

侶磊(ともらい)村の最奥・南磊(なんらい)にある惣一の家は、昔、六部と呼ばれた巡礼者の母子を殺害し、その呪いを受けているという。
母子を殺すよう直接指示した病身の当主が、視線を感じると恐れるあまり床を板で囲ませ、まるで棺桶に入ったような様子で死亡した。

当主亡き後も視線の怪異が続いたため、鞘落家では母子の霊を鎮めるため堂を建て母子像を安置し、巡礼の六部は手厚くもてなすようになった。
巡礼の母子が堂に宿泊すると、しばしば娘が神懸りになったが、巡礼者がいない時期が続くと鞘落家の子供にそれが現れた。

夾竹桃

出典:写真素材足成

そのため近隣の村から巫女体質の娘を連れて来ては依代とした。
娘たちは何度も憑依され狂い女になった。
突然死、行方不明、発狂し精神病院へ入れられた。
発狂した娘が村人を惨殺した事件もあった。

噂が広まり依代が見つからなくなると、鞘落家に再び「視線」の怪異が現れた。
神が宿るとされる特殊な形状をした木を「除木根(のぞきね)」と呼ぶことになぞらえ、鞘落家に憑く視線の怪異を「覗木女(のぞきめ)」と呼んだ。

惣一は巡礼者殺しの家系が憑き物筋の家系になった、自分も一度だけ「のぞきめ」の姿を見たが、上京してからは見なくなったと言った。

その後、惣一は民俗調査に行った先で転落死する。
腑に落ちない点は多々あったのに、惣一の実家は死因に疑問を持つこと無く遺体を引き取り、恩師や学友に葬儀の連絡もなかった。

炎

出典:写真AC

数ヶ月後、四十澤は帰省を兼ねて立ち寄ったと口実をつけて鞘落家を訪れた。
侶磊村は葬儀の真っ最中で、その異様な葬列に思わず隠れた四十澤は惣一の祖母の火葬現場を目撃する。

惣一と仲が良かったという寺の住職、義姉と甥などに少しずつ話を聞き、四十澤は、住職が鞘落家の憑物をかわす方法に深く関わっていることに気づく。

滞在中何度も、少女の姿を見る四十澤。
その姿は他の人には見えていないようであり、四十澤は彼女が巡礼の娘の霊だと思い込む。

四十澤は鞘落家の秘密を探ろうとするが、滞在の間に鞘落家の人間が全員不審な死に方をする。

世話になっていた寺の住職も死んだと知り、よそ者の自分が疑われると考えた四十澤は、鞘落家の秘密が隠された祠の扉を開き、その後脱出に成功した。

終章

2つの話を書き終えた「僕」は「のぞきめ」に憑かれた人々の顛末の違いや、四十澤の見聞きしたものについて考察を加えていく。

  • 覗き屋敷の怪に遭った和世は、初めから警戒しておらず巡礼の母子の霊に遭遇してしまったため殺された。
  • 勇太郎は住職の血縁者だった可能性がある。そのため「のぞきめ」に憑かれた。
  • 彩子はもともと巫女体質だったため、影響が強く出たのではないか。
  • 4年も依代がいなかった鞘落家の怪異解消法は、巡礼の母子の娘を持衰(じさい=災害避けの生贄)としていた。
  • 四十澤が祠の扉の中に見つけたのは、持衰である娘だったのではないか。

そして、持衰とされていた娘が四十澤の妻であり、彼女は「のぞきめ」の怪異が正しく外に伝えられることを望んでいたのではないかと思わせる文章で締めくくられる。

ご注意
このブログの内容は、三津田信三さんの原作を読んだ上で書いていますが、別の解釈ができるところも多々あると思われます。

「僕」の推測を更に個人的に解釈していますので、お読みになられればまた別の見方になるかもしれません。
ワタクシの解釈が大きく間違っているかもしれませんし(汗)

語り手の目線に立って、ハラハラしながら山道や屋敷内を探索させてもらえる小説です。
ぜひお手にとって怖がって下さい。

「のぞきめ」関連記事
映画の公開日と上映期間の情報
主題歌について
武田玲奈さんが出演

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

スポンサーリンク

スポンサーリンク

 - ◆映画◆, ◆本◆, , , , ,